
『万葉と沙羅』(中江有里、文集文庫)を読みました。
家庭環境を原因に人との距離感に悩む万葉と、中学時代いじめにあったことで不登校になった沙羅が通信制高校で出会い、それぞれの人生の第一歩をゆっくりと踏み出していくお話。万葉は昔から本が好きで、高校に通いながら叔父が経営する古書店でアルバイトとして働いている。沙羅は全く本を読んでこなかったが、万葉と出会い一緒に過ごしていくうちにとあるきっかけもありながら様々な本を読むようになっていく。
本を通じて二人が出会い、本を通じて成長し、それぞれが本と関わりながら人生のターニングポイントを迎えていきます。大きな事件や、壮大な出来事が起こるわけでありません。ただ、二人が悩み生き続ける日常が淡々と描かれます。
最後も、二人が大きく変わるのかと言われるとそういうわけではなく、明日からも確かな日々を歩いていこうという小さな決意を胸に抱いて物語は終わります。日常や人生ってそういうものだよなと自分もほんの少しだけ一歩を踏み出しなくなるような、そんな読後感でした。
話の中心は高校生で、ぜひ子どもたちに読んでほしい本です。もちろん大人が読んでも楽しめます。
ところで作者の中江有里さん、私は存じ上げなかったのですが女優さんなんですね。めっちゃおきれいな方でした。NHK朝ドラで主役級だったとか。
本の話というウェブメディアのページも読みました。面白かった
中江有里さん…女優であり作家であり…かっこいいです